#/files/user/260726_Interview_thumbnail.jpg ::::

プロフィール写真

::::
Bプレミア開幕前特別対談 「#32 山内盛久選手×金城茂之氏」歴史的舞台に立った二人が語り合うB.LEAGUE10年と Bプレミアへの想い

生年月日 -
身長 -
体重 -
ポジション -
出身 -
出身校 -

主な経歴

グローバルナビで選択した画像を使用する


 2026-27シーズンより新たに幕を開ける「B.LEAGUE PREMIER」に向け、10シーズンぶりに琉球ゴールデンキングスに復帰した#32 山内盛久選手と、現役時代に背負った#6が永久欠番となっている金城茂之氏による対談を実施しました。

 キングスは、2016年9月22日に行われたB.LEAGUEの歴史的開幕戦に続き、今回も新時代の幕開けを担うクラブとして、9月22日(火・祝)、23日(水・祝)にTOYOTA ARENA TOKYOでアルバルク東京と対戦します。この顔合わせは、B.LEAGUE開幕戦と同じカードであり、山内選手と金城氏は、その大舞台を経験した数少ない存在です。

 あれから10年。皆さまと共に前進を続けてきたキングスは、日本を代表するチームへと成長しました。その歩みをそれぞれの視点から見続けてきた二人は、B.LEAGUEの10年をどう振り返り、新たな戦いの舞台となるB.PREMIERにどのような想いを抱いているのでしょうか。

 bjリーグ時代を含め、クラブの歴史を知る二人が、新たなシーズンを前に語り合いました。(以下、敬称略)


 

憧れだった「シゲさん世代」の北中城高校


―まず、お二人の関係性について教えてください。

山内 姉が北中城高校でシゲさん(金城氏)と同級生だったこともあって、学生の頃から存在はよく知っていました。

金城 そうだ。同じクラスだった。

山内 自分自身、シゲさんたちの強い世代を見て育ってきたので、最初は北中城高校に入りたかったんです。少し上の代の城間修平さんや与那嶺翼さん(プレイヤーデベロップメントコーチ)たちにも憧れていて、自分も県高校総合体育大会で優勝して、北中城高校がやっていたベースラインからダイブするパフォーマンスをしたいと思っていました。



―金城さんから見た山内選手の印象はどうでしたか。

金城 実は盛久がキングスの練習生になる前、興南高校でバスケをする機会があり、その時に「めちゃくちゃ上手い子がいるな」と思っていたんです。その後、盛久がキングスの練習に来て、「あれ、この前の子じゃん」と気付いて。「なんでこのレベルの選手が練習生なんだろう」と思っていましたね。ドリブルが独特で、スティールもうまい。日本人選手というより、外国人選手みたいな感性を持っている印象がありました。



―bjリーグ時代、金城さんは4回、山内選手は3回の優勝を経験しています。当時からファンの盛り上がりは感じていましたか。

山内 すごく感じていました。ただ、まだ優勝しても、キングスのことを知っている人は知っている、くらいの知名度だったと思います。まだ沖縄全体で盛り上がっているという感覚ではありませんでした。

金城 僕はほとんどキングスが知られていない1年目から所属していたので、当時に比べたら、クラブの認知度はすごく上がっていきました。とはいっても、街中を普通に歩けるような感じではありました。今はクラブの人気がすご過ぎるので、僕の知名度も勝手に上がって、当時より気づかれている実感があります。



 

「日本一を証明できる」ワクワク感と、B.LEAGUE開幕戦の緊張感


―bjリーグとNBLが統合して2016年にB.LEAGUEが始まり、お二人ともキングス対アルバルク東京の歴史的開幕戦のコートに立ちました。日本バスケットボールが新しい時代を迎え、どのような心境でしたか。

金城 まず、開幕戦が地上波で全国放送されるということが大きかったですね。初めて公式戦でLED搭載コートが採用されたことなども含め、「日本全体にバスケットボールを広めよう」というリーグの本気度を肌で感じました。
ただ、正直なところ試合の雰囲気はあまり覚えていません…。久しぶりに緊張したんですよね。それまでプレシーズンゲームなどでアルバルク東京に何度も負けていましたし、ファン、メディアからの注目度が高く、「絶対に勝たないといけない」というプレッシャーが本当に大きかったです。クラブ全体としても「全国放送で恥はかけない」という空気がありました。

 

山内 それまでbjリーグとNBLという2つのリーグがあったので、bjリーグで3回の優勝を経験しましたが、ずっと「日本一」という言葉に違和感があったんです。だからBリーグが始まり、「ようやく本当の日本一を証明できるリーグができた」というワクワク感がありました。
ただ開幕戦は、それ以上にプレッシャーが大きかったです。開幕の1カ月ほど前からメディア露出が一気に増え、「絶対に勝たなければいけない」という空気が日に日に強くなっていきました。今思えば、ファイナルを迎えるような緊張感でした。

 

―結果は75-80で敗れましたが、第4クォーターに猛追して爪痕を残しました。NBL出身の名門チームと対戦しての手応えはいかがでしたか。

金城 「あるって信じたい」という感じですかね。NBLのチームは教科書のようなバスケをしていて、読みやすいではあるけど、そこに高さや体の強さが加わって総合力が高かった。特に日本人選手の身長差はとても大きかったです。一方で、bjリーグのチームはプレーが読みにくい部分があり、そこは良い点でした。いろいろ考えさせられる試合でした。

 

―会場となった国立代々木競技場第一体育館は両チームのファンが半分ずつを埋めていました。雰囲気はいかがでしたか。

山内 僕はそれまで、代々木第一体育館でプレーしたことがなかったので、「こんなにでっかいアリーナでやるんだ」という驚きがありました。始まる前からお客さんもたくさん入っていて、「すげえな」と思いました。メディアが「雑草軍団 VS エリート軍団」という構図も作っていて、ファンの熱量がすごかったです。でも、試合が始まったらもうそれどころじゃない。楽しむ余裕はなくて、本当に必死でした。

金城 今振り返ると、本当に日本バスケットボールにとって大きな歴史の1ページですよね。新しい時代の幕開けに立ち会えたことは、特別な経験でした。




 

「キングスらしさは変わらない」壁を乗り越えたB.LEAGUEの10年


―B.LEAGUEが始まってからの10年間、キングスは全てのチャンピオンシップへ進出しました。それぞれの立場で、キングスの変化をどのように見ていましたか。

金城 B.LEAGUE開幕後は3シーズン所属しましたが、毎年、「壁を越えなきゃいけない」という感覚でした。2年目には佐々宜央ヘッドコーチが来て、橋本竜馬選手や古川孝敏選手、須田侑太郎選手など日本代表クラスの選手も加入し、戦術は大きく変わりました。理解するだけでも大変でしたが、その分、アルバルク東京やシーホース三河などNBL出身の名門チームにも勝てるようになって、壁を越え、確実に強くなっていると感じていました。著名な選手が増え、以前から応援してくれていた人たちに加えて、新規のファンも増えていったように思います。

 

山内 僕は1シーズン目が終わって移籍しましたが、リーグ全体、クラブのレベルともに上がっていたので、正直、1シーズン目の途中から「来シーズンはいられないかも」と感じていました。その後、キングスは日本代表クラスの選手が当たり前のように集まるクラブになりましたが、外から見ていて、メンバーは入れ替わっても、キングスらしさだけは変わっていないように感じていました。
誰か一人が突出するのではなく、チーム全員で戦うこと、そしてハードワークを徹底すること、それはbjリーグ時代からずっと変わっていません。そこへ戦術の完成度や選手層の厚みが加わり、チームのレベルがさらに上がっていった印象があります。それは、シゲさんや隆一(岸本隆一選手)たちが、キングスのカルチャーを継承してきたからだと思います。

―2021年の沖縄サントリーアリーナ開業も、B.LEAGUE10年の中での大きなハイライトです。山内選手は沖縄市山内の出身なので、地元ですよね。

山内 以前はここに闘牛場があって、子どもの頃は牛舎に牛がいるな、くらいのイメージでした。アリーナに関しては、宜野湾市にあったクラブ事務所に模型があって、木村さん(キングス創設者の木村達郎氏)の夢だったんだと思います。正直、「本当にできるのかな」と思っていました。それが本当に形になったので、完成した時は「本当にできちゃったよ」と驚きました。
三遠ネオフェニックス時代に初めてアウェーチームとして来ましたが、とにかく「すごい」の一言でした。もちろん規模も大きいですが、どこからでも見やすいすり鉢状の構造だったり、お客さんとの距離がすごく近くに感じられる部分だったり、細部にこだわりが見えます。

―アウェーチームとしてはやりづらさもありましたか。

山内 いろんなアリーナを経験しましたが、沖縄サントリーアリーナは歓声が本当にすぐ近くから聞こえてくる感覚があります。クロスゲームになると、特に観客からの圧が強くなります。4クォーターの残り数分で一気に流れが変わることがあるので、どれだけリードしていても、コーチ陣からは「最後のブザーが鳴るまで絶対に気を抜くな」と言われていました。

 

金城 僕も仙台89ERSでアシスタントコーチをやっていたとき、39分間は勝っていて、最後に隆一の3Pシュートで逆転負けしたことがあります。会場の歓声は、コートにいる選手以上に聞こえていたと思います。選手、ファン、クラブが一体となって作り出している雰囲気だと思います。

―ファン層の広がりは感じますか。

金城 仙台から沖縄へ戻ってきた時に、変化を一番実感しました。街を歩けば、コンビニやスーパー、商業施設などでキングスの選手写真、ロゴを見かけ、グッズを身に着けている人も増えました。仙台では野球やサッカーをよく見かけましたが、沖縄はスポーツといえばキングス。それくらい、この10年でクラブが街に根付いたんだと思います。

山内 同じ感覚ですね。沖縄に帰ってくるたびに街中でキングスのグッズを持っている方を見かけることが増えて、生活の中にキングスが溶け込んでいる印象です。

 


 

「勝って、新たな歴史の1ページを」B.PREMIER開幕戦へ


―今シーズンから始まるB.LEAGUE PREMIERにおいて、キングスは再び歴史的な開幕戦に臨みます。相手は10年前と同じアルバルク東京です。

山内 新しいリーグのスタートを告げる開幕戦は、誰もが立てるような舞台ではありません。それを2度も経験できることは、本当に光栄なことです。相手が同じアルバルク東京というのも、自分としては良かったと思っています。10年前は悔しい思いをしたので、今回は勝って、新しい歴史の1ページを刻みたいです。あと、前回はとにかく余裕がなかったので、今回は特別な空気も含めて楽しみながらプレーしたいと思っています。



金城 キングスの歴史に関わった身としては、またキングスが開幕戦を担うチームに選ばれたことはとてもうれしいです。それは、今までチームに関わってきた人たちが頑張ってきた証拠です。選手だけじゃなく、ファン、組織を含め、みんなにとっての誇りになると思います。

―山内選手は、このタイミングでの復帰というのも運命的なものがありますね。

山内 リーグ全体を見ても、一度離れたクラブへ戻ってくるケースは決して多くありません。このタイミングで自分をもう一度迎えてくれたことに感謝しています。長年チームを支えてきた隆一が移籍し、プレッシャーもありますが、キングスが積み重ねてきたカルチャーを新しい世代に受け継いでいくという責任を感じています。佐取龍之介選手や宮里俊佑選手など若い世代にしっかり託していけるよう、自分のできることをやっていきたいです。



金城 選手にはそれぞれ役割があり、盛久はチームに求められて、オファーを受けたのだと思います。隆一はキングスで14シーズンを過ごした一方、盛久はその間にいろいろなクラブを経験し、それぞれの土地で文化や価値観、バスケットを学んできました。その経験値は、今のキングスにとって重宝される部分だと思います。
チームの存在は、地域の応援あってこそです。盛久はプレーはもちろんのこと、地域活動も大事にしています。両方できるのは本当にすごいことです。キングスの価値をさらに高めてくれる選手だと期待しています。

―B.PREMIERでは外国籍選手の出場が「オンザコートフリー」になるなど、選手を取り巻く環境も変わります。どのように受け止めていますか。

山内 日本のバスケットボールをさらに発展させるためのチャレンジだと思っています。新しい制度には必ず賛否がありますし、最初からすべてがうまくいくわけではありません。だからこそ、リーグもクラブも、そして選手も試行錯誤しながらアジャストしていくことが大切だと思います。
オンザコートルールが変われば、日本人選手が外国籍選手とマッチアップする機会も増えるかもしれません。それに打ち勝っていかないといけない。キングスもこれまで数々の挑戦を乗り越えてきました。今回もチーム全員で乗り越えながら、自分自身もさらにレベルアップできるシーズンにしたいと思っています。

金城 かなり思い切った改革だとは思いますが、それだけ日本人選手への期待も込められているのだと思います。オンザコートフリーについては、以前、欧州のリーグでも同様の改革を行った後、一時的に外国籍選手の存在感が大きくなったものの、その後は自国の選手のレベルが上がっていったという事例を聞いたことがあります。選手それぞれが工夫し、持ち味を磨いていけば、将来的に日本人選手のレベル向上につながっていく可能性は十分にあると思います。



 

「新しいスタイルを楽しんで」非日常の進化を


―B.PREMIER開幕に向け、キングスはLED搭載フロア「VISIONフロア」をホームゲームで使用し、「キングスわいわい広場」の新設などを実施します。

山内 キングスのホームゲームで使用される「VISIONフロア」は、B.LEAGUEの開幕戦で経験したLED搭載フロアよりさらに進化したものになると聞いています。自分のチームから新しいバスケットボールの見せ方を発信できることは、本当に楽しみです。まわりに「いいだろ」って自慢できますね。

金城 沖縄サントリーアリーナをホームコートにしたことも含め、キングスはいろいろな意味でリーグを引っ張るような存在になっています。VISIONフロアもすごく楽しみにしています。私は解説席から見ることが多いので、一番いい席かもしれません。ワクワクしています。



―キングスはプロリーグ参入から来季で20シーズン目の節目を迎えます。金城さんの目から見て、この期間で変わった部分、変わらない部分を教えてください。

金城 変わらない部分は、現場の選手、スタッフと会社がしっかり両輪で動いていることだと思います。「沖縄をもっと元気に!」という根っこが変わらず、地域のために選手が戦い、組織も地域のための取り組みを続けています。
一方で、以前から「現状維持は衰退」という考えも根付いているので、VISIONフロアのように、進化も続けています。非日常のエンターテインメントを突き詰めていく姿勢は、今後も続けていってほしいですね。

―B.PREMIERでは平日開催が増えるため、新しい層の方にもアリーナへ来てもらえるチャンスがあります。「初めて観に行く」という方もいるかもしれません。山内さんは、どんなポイントに注目してほしいですか。

山内 もちろんVISIONフロアなども注目ですが、チームはアンソニー・マクヘンリーAHC(アソシエイトヘッドコーチ)が指揮官となり、新しい体制で、これまで以上にテンポの速いバスケットボールになると思います。長く応援してくれているファンには、「昔のキングスのスタイルが戻ってきた」と感じてもらえるかもしれません。一方で、最近ファンになった方にとっては、新しいスタイルを楽しんでもらえると思います。
試合だけでなく、芝生エリアにできるキングスわいわい広場などもあり、アリーナ全体が非日常体験を味わえる場になっています。子どもから大人まで、バスケットボールを通したアリーナの魅力を純粋に楽しんでもらいたいです。

 

受賞歴