キングスユースマンスリーレポート 2024年8月度
ユースチームの活動を伝える「マンスリーレポート」2024年8月号をお届けします。
キングスU18は熊本県で行われた「B.LEAGUE U18 REGIONAL LEAGUE 2024」の最後の2試合に挑み、南地区を7戦全勝の首位で全日程を終えました。熊本での試合は特に1、2年生の活躍が目覚ましく、REGIONAL LEAGUEを勝ち抜いた12チームが頂点を争う「B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2024」(10月開幕)に向けて弾みを付けることができました。
キングスU15は今回、沖縄県内の離島出身の選手2人にスポットライトを当てご紹介します。ユースチームに加入するため、家族と一緒に本島へ移住し、覚悟と感謝の気持ちを持って日々のトレーニングに臨んでいます。ぜひ、ご一読ください。
キングスU18
8月3日(土)と4日(日)に「B.LEAGUE U18 REGIONAL LEAGUE 2024」の最後の2試合を行ったキングスU18は、香川ファイブアローズU18に101ー44、熊本ヴォルターズU18に72ー47で、いずれも勝利を飾り「B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2024」の出場権を獲得しました。
得点やリバウンドで大きな存在感を放つキャプテンの#77 佐取龍之介選手が、同時期にBリーグ選抜として中国・上海で行われた「2024 Shanghai Future Star Basketball Championship」に参加していて不在だったこともあり、各選手が「自分がやってやる」という強い自覚を持ってプレーすることができました。
特に1、2年生の出場時間がこれまでに比べて大幅に伸び、2戦を合わせた平均スタッツで、1年生の#88 奥間翔選手が16.5得点、13.0リバウンド、2.5ブロック、2年生の#71 名城寿唯選手が8.5得点、6.5リバウンドを記録するなど、際立った活躍を見せました。#88 奥間選手は「佐取先輩がいない中で、自分が出る時は気持ちを入れてプレーしようと思っていました。インサイドで体を張ってリバウンドを取り、セカンドチャンスで得点を奪うことは普段から意識しているので、結果を残せて良かったです」と振り返りました。
最近の試合では、#71 名城選手や#33 長嶺充来選手、#3嶺井俊弥選手ら2年生の存在感も強まってきました。下級生の頃からプレータイムの多かった3年生と、キングスU15時代に「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」で準優勝を果たしたメンバーも多い1年生に挟まれ、#71 名城選手は「自分たちの代はこれまで結果を残せてこなかったので、プレッシャーや焦りがあるのは事実です。オフの日に同級生で集まってトレーニングをしたりして、少しずつ成長の手応えは感じています」と言います。熊本開催の結果も個人的に、自信に繋がったと話します。
チームとしては、特に熊本戦で大きな手応えを得ることができました。なかなか点差を引き離せず、第3クォーター終了時点で7点リードという状況でしたが、第4クォーターはわずか1失点。オフェンスでなかなか点数が伸びない中、与那嶺翼キングスU18ヘッドコーチが最も重要視する粘り強いディフェンスで勝利を呼び込みました。#71 名城選手は「自分たちの弱みは試合中に気が抜けてしまう時があることでしたが、熊本戦はゲームの締めの時間帯でディフェンスとリバウンドで高い集中力を保ち、一人一人が自分のやるべきことができました。チームとして成長を感じられる試合でした」と総括します。
REGIONAL LEAGUEの5地区で、それぞれ上位に入った12チームが参戦する「B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2024」はよりハイレベルな戦いとなります。U18のカテゴリーにおける三つのタイトルの内の一つ目への挑戦を前に、#88 奥間選手は「チームとしての目標は全勝優勝です。個人としてはリバウンドや3Pシュートにさらに磨きを掛け、セカンドチームではなく、スタートで出場できる選手に成長したいです」と意気込みを語りました。
選手一人一人が強い心を持ち、チームとして向上を続けるキングスU18の活動に今後もご注目ください。
キングスU15
現在44人が在籍するキングスU15には、県内の様々な地域から選手が集まっています。今回のレポートでは、チームに加入するために本島へ移住し、新たな環境でチャレンジを続ける石垣市出身の砂川恵汰選手(沖縄市立美東中学校2年生)、宮古島市出身の新里颯一朗選手(同)の決意を紹介します。
砂川選手は1年生の頃まで石垣中学校に通っていましたが、キングスU15のトライアウトに合格し、2年生に上がるタイミングでお母さん、三つ下の弟と共に本島へ引っ越しました。「強いチームで自分がどれだけできるかを試したいという気持ちがあったので、受かった時は家族全員で喜びました」と振り返ります。石垣島でダイビングショップを経営するお父さんは地元に残り、島からエールを送っています。
お父さんはバスケのプレー経験はないものの、息子のために独学で勉強し、小学生の頃からプレーを教えてくれました。お母さんもキングスU15の練習会やトライアウトの日程を調べ、参加を後押ししてくれたそうです。砂川選手は「お父さんが一からバスケを教えてくれて、お母さんが食事などの面でお世話をしてくれています。そのおかげで自分はキングスU15でプレーでき、ここまで成長することができました」と感謝の想いを語ります。
中学2年生でチームメートや生活環境ががらっと変わり、「最初は緊張していました」と言いますが、「先輩や同級生が優しく、すぐに慣れました」と言います。持ち味である粘り強いディフェンスやリバウンドに磨きを掛けるべく、ハイレベルな環境下で日々のトレーニングに汗を流しています。 石垣市出身の選手として「自分がユースに入ったことで、地元の後輩も練習会やトライアウトにどんどん参加してほしいです。石垣のプレーヤーの知名度を上げていきたいです」と意気込みを語りました。
もう一人の離島から来ている選手である新里選手は、中学1年に上がると同時に宮古島を離れ、キングスU15に加入しました。両親はトライアウトを受ける時点で「受かったら本島に行っていいよ」と背中を押してくれていたといいます。砂川選手と同様に、合格後に両親、弟、妹と一緒に本島へ移住しました。「今、自分がここでバスケができているのは両親の支えがあるからです。本当にありがたいです」と感謝を口にします。
キングスU15に加入した理由は「宮古は島全体でもそこまで選手の数が多くはないので、競争の厳しい本島でプレーしてみたかったからです。さらにキングスのユースチームであれば練習環境が良く、コーチもすごい経歴の方たちなので、もっと技術を上げられると思いました」と振り返ります。
ミニバスケットボール時代は小学5年生からキャプテンを務め、声を出すことは得意でした。キングスU15はAチームとBチームに分かれて日々競争をしており、「トレーニングを頑張ってAチームに上がり、コート内外でチームに貢献できる選手になりたいです」と目標は明確です。
将来の夢はプロバスケットボール選手。#14 岸本隆一選手に憧れているほか、自身と同じ宮古島市の出身で、元キングスの狩俣昌也選手(長崎ヴェルカ)も意識しています。「宮古島からも上手い選手はたくさん出ているので、自分もコツコツ頑張ってプロになりたいです」と未来を展望しました。
同じく宮古島市の出身で、日本代表のテクニカルスタッフを務めた経歴もある末広朋也キングスU15ヘッドコーチは「自分の可能性を信じて挑戦している彼らと、その決断を支えているご家族をとても誇りに思います。彼らの夢であるキングスでプレーするプロバスケットボール選手になれるよう、スタッフ全員で全力のサポートをします」と決意を語ります。
琉球ゴールデンキングスは、これからも若い選手たちの挑戦を力強く後押ししていきます。キングスU15の選手たちの日々の成長にご注目ください。