キングスユース月間レポート(2024年2月号)
ユースチームの活動を伝える「マンスリーレポート」の2月号をお届けします。
キングスU18は、2月10日(土)~12日(月)にB.LEAGUE U18の4チームと、中国とドイツの海外2チームが出場した「B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2024」に参戦しました。4戦全敗という厳しい戦績でしたが、海外の同世代と対戦することで得た収穫もありました。本大会をもって、2021年4月に設立したU18の1期生となる3年生はユースチームでの活動を終えました。関東大学リーグ2部に所属する国士舘大学への進学が決まっている#1 宜保隼弥選手が今後に向けた意気込みを語ってくれました。
キングスU15は、3月27日(水)~31日(日)に東京体育館で行われる「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」に向け、さらなるレベルアップに励んでいます。1月上旬に開かれた「京王Jr.ウインターカップ2023-24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会(JWC)」では2回戦敗退という悔しい結果に終わったため、選手たちは強い向上心を胸にそれぞれの課題と向き合っています。
ぜひ、ご一読ください。
キングスU18
「B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2024」は2021-22シーズンから始まった大会で、過去2大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で海外からチームを招聘することはできませんでしたが、今回3年目で遂に海外チームの参戦が実現しました。キングスU18が入ったグループリーグは、今シーズン既に2冠を獲得していたレバンガ北海道U18と、身長200cm以上の選手を3人擁する中国の広東宏遠U18で構成されました。強豪北海道U18に挑む#0 須藤春輝選手
キングスU18は初戦となった広東宏遠U18戦に向け、重点的に対策を練って挑みました。与那嶺翼キングスU18ヘッドコーチは「運動量と3Pシュート、あとマンツーマンとゾーンを使って相手を混乱させるチェンジングディフェンスの三本柱で戦いました」と振り返ります。
第1クォーターは前線から仕掛ける激しいディフェンスや積極的なドライブによる得点で20ー17とリードして終えましたが、第2クォーターで逆転を許します。第3クォーターでリードを30点以上に広げられ、終盤に粘りを見せて点差を詰めましたが、85ー100で敗れました。圧倒的な身長差がある相手に対してリバウンドの本数は48対53と善戦しましたが、チームの生命線である3Pシュート成功率が27.3%(44本中12本成功)に留まり、勝利を逃しました。
広東宏遠U18相手に攻撃を仕掛ける#87 比嘉圭選手
与那嶺U18 HCは「相手のサイズ感に対して選手たちは四苦八苦している印象があり、普段ならシュートを打てるタイミングで躊躇する場面もありました。リズムを狂わされた部分はあったと思います」と敗因を語る一方、身長200cm以上が3人、190cm台が4人という大型チームとの対戦を通して「この経験ができたことは、本当にリーグに感謝しています。大学でもあまり経験できないようなサイズ感なので、そこに対してチャレンジできたことは彼らにとって大きな収穫になったと思います」とポジティブに受け止めています。
今大会をもって、キャプテンを務めた#0須藤春輝選手、#1宜保隼弥選手、#16安永優貴選手、#87比嘉圭選手の3年生4人はユースチームでの活動を終えました。中でも#0須藤選手、#1宜保選手、#87比嘉選手はU18の1期生として、メンバーが十分に揃っていない頃から活動を続けてきました。以下は、1年生の時から彼らを指導してきた与那嶺U18 HCのエールのコメントです。
「彼らが茨の道を選択してくれたこと、U18のチームカルチャーを構築してくれたことに本当に感謝しています。コミュニケーション、エクスプレッシブ(表現力)、アドバンス(成長)という三つを掲げてコーチングをしてきましたが、これまでやってきたことが彼らの今後のバスケット人生において重要なものになり、彼ら自身が広く発信してくれることを期待しています」
2021年4月キングスU18発足時
2月23日(金)には、保護者の方々に見守られながら3年生の送別会を行いました。新たな世代に入り、先輩たちが達成できなかったタイトルの獲得に向けて鍛錬を重ねるU18に、ぜひ今後もご注目ください。
▽#1 宜保隼弥選手コメント
ーINTERNATIONAL CUPの感想は。
中国チームとの対戦では、相手に高さがあって持ち味である3Pシュートで戸惑う部分があり、自分たちのタイミングでシュートが打てない場面もありました。あそこまでのサイズと対戦するのは初めてだったので、3Pシュートの確率が少し下がり、なかなか自分たちのスタイルでプレーができませんでした。大学に行くとあの高さが当たり前になってくるので、もっとクイックで打ったり、ドライブで体を当てながらシュートを決め切るためにフィジカルを鍛えていきたいです。
ー強豪の北海道U18や名古屋D U18に勝ち切れなかった。
北海道U18とは、広東宏遠U18戦と同じ日に対戦して疲れが出てしまったのか、自分たちのプレーができずに相手に飲み込まれて終わってしまいました。名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18との試合は、負けたら終わりのトーナメント戦ということもあり、いい勝負はできていましたが、後半にやりたいプレーができずに、一気に相手に流れを渡してしまいました。40分間を通して、自分たちがやるべきプレーを仕掛ける大切さということを改めて実感しました。
ーキングスU18での3年間を振り返って。
この環境でバスケットボールをできることはなかなか無いので、感謝の気持ちを持ってプレーするべきだということを学びました。ユースチームだからこそ、自分の実力次第でプロ選手とワークアウトをする機会をもらえたりもします。本当にキングスU18に入って良かったです。一緒にキングスU18に入った春輝はチームを引っ張ってくれましたし、圭もみんなが見えないところでリーダーシップを発揮してくれました。大学で対戦できる機会があれば、全力で倒しに行きます。
ー後輩たちへのコメントを。
後輩たちには自分たちが成し遂げられなかったタイトル獲得をしてほしいので、今シーズンの悔しさを胸に刻んでこれから頑張ってほしいです。
ー今後の意気込みを。
トップ選手から得た知識を大学で生かしていきたいです。先輩たちに遠慮せず、自分のプレーを貫きます。1年生から試合に出るため、強い気持ちで頑張っていきたいと思います。
#1 宜保隼弥選手
キングスU15
3月下旬にある「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」に向け、キングスU15にとって2月は鍛錬の時期となりました。それは、素早いトランジションといったチーム戦術や個々のスキルに限りません。末広朋也コーチは今のチーム課題について「『全国で活躍できる選手になれる!』という欲を持つこと」とした上で、現在コーチングをする上で心掛けていることをこう語ります。「欲がないことで、練習でのチャレンジの回数が少なかったり、日常でのバスケットボールとの向き合い方のレベルが低くなったりしてしまいます。今はそのマインドセットをアップデートし、全国ベスト4で戦える集団になる準備をしています。もっともっと上手くなりたいというメラメラした気持ちを持った選手が増え、選手同士が良い影響を与え合うことが日常になれば、選手は自然と成長します。そういう文化作りを今は心掛けています」
そのために取り組んでいるのは、一つ一つのプレーに対して答えを提示するのでなく、選手に自ら考えさせ、自分たちでコミュニケーションを取って解決することです。末広コーチは「バスケットボールは、止まることなく進んでいくスポーツなので、監督の指示よりも選手の自主的な判断が最も重要です。勇気を持って、より良い選択ができるように練習からたくさんの問いを投げ掛けています」と話します。
Jr.ウインターカップで指揮をとった末広朋也コーチ
週に一度、オンラインで集まって試合映像を振り返ったり、人生について考える時間を設けたりして、選手たちが思考する時間を積極的につくっています。
CHAMPIONSHIPの目標は、全選手がチャレンジをして全日程を終えること。大会3連覇中の名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15に所属していた頃に優勝を経験し、昨年キングスU15に移籍した#54 越圭司選手は「チームの一員として力になれるよう、練習の成果を出し、チーム力で優勝を目指します」と決意を語ります。
大会まで残り約1カ月。ぜひキングスU15への応援をよろしくお願いします。
▽#54 越圭司選手コメント
ーチームとして課題に感じている部分と取り組んでいる練習は。
Jr.ウインターカップの負けから見えてきた課題として、チームのシュート力、ディフェンス力、リバウンド力が欠けていると感じています。それを克服するために日々一つ一つの動きを確認しながらチームで練習に取り組んでいます。個人としては、試合で同じミスをしてしまうこと、全体を把握できていないことが多々あるため、ガードとしての信頼度が落ちてしまっていると感じます。練習で同じミスをしないように責任感を持ち、できることからガードとしての動きを丁寧に行なっています。その中でも声を出すこと、シュート力を上げること、デフェンス力、予測できる力を身につけるために日々、全力で練習に取り組んでいます。
ー名古屋D U15時代にCHAMPIONSHIPで優勝を経験している。この大会を勝ち上がる中で感じた難しさや、得たものは。
バスケットボールは一人では勝てないということ、チーム力の大切さを感じました。この大会はユースにとって1年間の集大成であり、各チームがプライドとプライドをぶつけ合うため、勝ち上がるのはとても難しいです。その中で上級生の勝ち切る強さに身近に触れられたことや、日々の苦しい練習で得たことを試合で出すことが勝つ要因になったこと、日々の練習は裏切らないことが証明できた大会でした。その一員として、その場でプレーできたことが自信につながりました。
ー今回のCHAMPIONSHIPの目標は。
キングスU15に途中移籍させていただき、それを受け入れてくださったチームに感謝しています。その想いを返すことができる場が、この大会だと思っています。なので、3年生に優勝旗を捧げたいと思っています。そのためにチームの一員として力になれるよう、練習の成果を出し、チーム力で優勝を目指します。
#54 越圭司選手