チームインタビューVol.6|#34小野寺祥太
―――27歳、プロ10シーズン目となる今季。
高校を卒業してすぐに、当時、桶谷ヘッドコーチが指揮をとっていた岩手ビッグブルズで練習生として入団させてもらいました。ありがたい事に、大学からも何校か推薦入学のお話をいただいていましたが、強い覚悟をもってプロの道に進んだ事を今でも覚えています。その時は、正直「やれるだろう」という甘い考えの中で入団し、外国籍選手との対戦経験も少なかったこともあり、練習についていくことすら大変でした。また、いつプロ契約をしてもらえるのかという不安は常にありました。入団半年後にプロ契約のお話を頂き、小さい頃からの夢が現実となりものすごくうれしかったことを覚えています。後から桶谷ヘッドコーチに聞いた話にはなりますが、当時岩手で一緒にプレーしていたローレンス選手がプロ契約の後押しをしてくれたという話を聞きました。常に外国籍選手にも負けじと、アグレッシブにオフェンスリバウンドに絡んで取り組んでいた部分を見てくれていたのかなぁと思います。
そして、一番印象に残っているのがプロ契約後のデビュー戦。桶谷ヘッドコーチの計らいにより、自分の地元である一関市で開催された試合でデビューさせていただきました。そこでの初得点は、当時一緒のチームでプレーしていた翼さん(現在キングスU18与那嶺ヘッドコーチ)のアシストによるものだったので、今、同じ球団では共に活動できているのはとても感慨深いです。
―――キングスへの移籍。
プロ6シーズン目、契約の更新期間中に怪我をしてしまい、ものすごく不安な中、地元でリハビリをしていた時、当時のキングスのヘッドコーチである佐々ヘッドコーチ(現 宇都宮ヘッドコーチ)からお誘いをいただきました。ビッグクラブであるキングスからお声掛けいただけるとは思ってもおらず、怪我のリスクもある中でオファーいただき、自分自身の成長にもつながると確信し入団を決意しました。しかし、入団後は、コロナ禍でのリーグ戦途中終了や沖縄アリーナ設立初年度に怪我と手術で半年程試合に出られない時期などもどかしい状況が続き、加えて、新たな選手も入団する中で焦りと不安があったのを憶えています。
そんな中、昨シーズンはようやくフルシーズンを怪我無く戦い抜く事ができ、徐々にコンディションも上げる事ができました。ディフェンス面では、少しはチームに貢献出来たと思います。プレータイムが増えたことは、そういったディフェンス面を見ていただいた証なのかなとも感じています。
―――経験をさらなる成長へ。
今振り返ってみると自分にとって、初めてのチャンピオンシップで、なおかつ初めてのファイナルだったので、空回りしたり興奮したりもあり、全体的にプレーが消極的になってしまいました。ルーズボールやリバウンドなど、スタッツに表れない部分でもう少しチームに貢献できたと思っており、正直悔いが残っています。ただ、キングスに入団後、最後までフルシーズン戦い抜く事ができたのは初めてで、2021-22シーズンはとても充実していました。特にファイナルに出場できたことで、経験と自信が付き、一つ一つのプレーに対して少しは冷静に判断する事ができる様になったと感じます。あの緊張感の中でプレーできたことは自身のキャリアの中で非常に大きな経験でした。
今シーズンは自分の武器でもあるディフェンス面を更に強化していくことはもちろんですが、とにかく受け身にならない事が重要で、自分の一番の武器にプライドをもって積極的且つ冷静にディフェンスを遂行する。そして、オフェンス面でもチームに勢いをもたらせるよう、ボールを持っている時間も持っていない時間も意図を持って動き続けていきます。チームに必要とされるよう自分の武器に誇りを持って成長し続けたいです。
チームインタビューVol.6|#34小野寺祥太