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GOLD STANDARD. Vol.5 #1 船生選手 インタビュー


 普段では聞くことのできない、コーチや選手の考え方、プロ選手としての思いなどをお届けする“GOLD STANDARD”。本シリーズは、現場での苦闘や華やかな舞台の裏で積み上げてきた経験、これから思い描く己のバスケットボール理念やキングスについて、皆さまにご紹介していきます。

 Vol.5は、#1船生選手です。青山学院大学を3年生で中退しアイシンシーホース三河(現 シーホース三河)へ入団。同世代の選手より一足先にプロのキャリアをスタート。その後、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、富山グラウジーズと渡り、今シーズンよりキングスの一員として活動します。7月から沖縄入りし新たな環境に身を置いた船生選手の決意とプロ選手としての思想に迫ります。

例年と違うオフシーズン。
 昨シーズンはリーグ戦が途中で終了し例年より早くオフシーズンに突入したことで、通常とは違うことができる数ヶ月になりました。最初の数ヶ月は次シーズンをどのチームでプレーするかも決まっていない状況でしたが、不安というよりは色々勉強し考える時間が十分にある事に対してポジティブな感情を抱いていたと思います。ネットショッピングで壁に貼るホワイトボードを購入して、自分が思ったことや考えを書き出してみたりしていました。
 実家が幼稚園を経営し、加えて父親がミニバスのコーチもしている環境もあり、福島に帰るたびに幼稚園やミニバスの練習に顔を出して子ども達と交流しています。その影響もあり、「子どもへどのように接することで感性を豊かにできるのだろう」「この年齢の子ども達は何がどれくらい成長するのか」などの教育や子どもへの接し方を勉強していました。
 そんな中、新型コロナウイルスの影響でスポーツ関係の全国大会中止措置が相次ぎ、中学三年生や高校三年生の節目の子ども達が、最後の大会でプレーできなかった事についてすごく考えさせられました。福島にも高校三年生のすごく良い選手がいて、その子も全国大会中止でアピールする場を失ったがために、強豪大学レベルの選手にも関わらず一部の大学から声がかからなかった話を耳にしました。その子はミニバスから交流があり、どうしても放っておけず責任をもってサポートすることを決意。「アメリカでもっと高いレベルのバスケットボールに触れてみたい」と強い意志を尊重し、アメリカへ行く手助けさせてもっています。全員は無理だが手の届く範囲の子たちは助けたい。こういった状況だからこそ気付けた事ですし、これからも大切にしたい思いです。

沖縄との縁。
 沖縄は元々すごく好きな場所で以前も何度か来たことがあります。高校2年の時に沖縄市体育館でプレーしたインターハイで、強豪の洛南高校に勝利し興奮で眠れなかったことや、修学旅行で行った琉球村で偶然#24田代選手と会い、初めて話をしたことは懐かしい思い出です。
 もちろんアウェーチームとして沖縄市体育館でプレーした時の会場の熱気も印象的です。その中でも2017-18シーズンのチャンピオンシップで第3戦までもつれてキングスに負けた試合は今でも鮮明に覚えています。古川選手(現 秋田ノーザンハピネッツ所属)がポンポンとシュートを沈めて試合が決まったのですが、そのゲームは1秒もプレータイムが無くベンチに座って眺めていて、そのままシーズンが終了。脳裏に色濃く焼き付いています。その時からキングスのファンはバスケットボールを見る目があって熱がすごいと感じていましたし、いつかこのファンの前でプレーしてみたいと思えるチームの一つでした。

今シーズンへの意気込み。
 沖縄に来て約1カ月、チームに合流してチームメイト、コーチ陣とトレーニングやワークアウトを行い、すごく充実したバスケットボール生活を送れています。今シーズンからポイントガードのポジションにもチャレンジすることになり、#3並里選手や#14岸本選手と練習でマッチアップしています。その度に「あぁ、隆一さんをマークする時はこうやって守っておけばよかった」など、キングスの中から見るからこその学びが日々絶えないです。並里選手は速さやパスなどオフェンシブなイメージがありますが、守るよりも攻めるほうがやりづらいです。身長差が20センチ以上あるにも関わらずディフェンスが重くて攻め込むのが難しい感触があります。
 以上の2選手に加え#0石崎選手もいる素晴らしいガード陣の中で、長身とエゴの少ないプレースタイルという自身の強みを出していきます。この数年間は色々な人から身長が高くなったかと聞かれることが多く、試合中に対戦相手だった田中大貴選手からも「背伸びた?」と言われたこともあります。身長を測り直したら194cm、シューズを履くと195cmでした。ポイントガードで190cmを超える選手はリーグでも数えられるほどしかいませんし、195cmを超える選手は皆無です。サイズを生かして、自分が前線から相手ポイントガードへマークに着くだけでもチームに貢献できると思っています。また、良くも悪くもチームメイトに気を使ってしまうスタイルで、消極的になってしまうところがあります。その部分は、ボールを長く持てるポイントガードだからこそ、考えながらプレーすることで改善できると考えています。その反面、藤田ヘッドコーチの目指す全員でオフェンスするバスケットボールにフィットできるスタイルだと感じていて、より味方へいい形でパスを繋げられるように今から取り組んでいます。
 名古屋でお世話になった遠山アシスタントコーチ、声をかけてくださった藤田ヘッドコーチへ恩返しをしたいと強く思います。そして、キングスに来て環境が変わり新たなポジションへのチャレンジできるこのタイミングで、これまで以上にバスケットボールに向き合いたい。「ここでやらなかったらいつバスケット頑張るの?」と思えるほど様々なことが重なり、これ以上に無い良い機会だと捉えています。
 今シーズン、たとえ無観客での開催になったとしても、見てくれて応援してくれる方へ画面越しでも何かを伝えられるように懸命にプレーしたいと思います。そのためにも開幕までの期間で自分にできる最善の準備をし、沖縄の皆さまの前で試合ができる事を心待ちに日々取り組んでいきます。


 

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