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GOLD STANDARD. Vol.7 #14 岸本選手 インタビュー


 普段では聞くことのできない、コーチや選手の考え方、プロ選手としての思いなどをお届けする“GOLD STANDARD”。本シリーズは、現場での苦闘や華やかな舞台の裏で積み上げてきた経験、これから思い描く己のバスケットボール理念やキングスについて、皆さまにご紹介していきます。
 Vol.7は、#14岸本選手です。キングス在籍年数はチーム最長の9年目、2015-19の4シーズンの間キャプテンを務めキングスを牽引。昨シーズン終盤は怪我に始まり、4月には指定難病の診断を受け苦しい状況でした。今では順調に回復し、開幕に向けて高まる新たなチームへの期待と、自身がプレーする事に対する特別な想いをご紹介します。


これまでの経緯。
 自分のこれまでのキャリアで怪我によって長期間欠場が続くことが初めてで、バスケットボールができない事がこんなにもストレスになると痛感させられました。選手としてだけでなく、これまで何不自由なくできていた事ができないもどかしさもあり、無意識にストレスを溜め込んでいたかもしれません。そんな中、3月に体調が悪くなり4月に指定難病の診断を受けました。幸いこの病気の中では軽い症状で、今は開幕に向けてトレーニングやワークアウトに取り組むことができています。6月になる頃には人並みの体力まで回復しましたがアスリートとしてはまだまだで、体力を戻すことからのスタートでした。退院して久しぶりに娘を抱っこしたときに「こんなに重かったっけ?」と感じるほど筋力も低下していたと思います、娘が成長していただけかもしれませんが。
 今ではベストコンディションの60~70%のところまで調整できています。ただ、バスケットボールの感覚を取り戻すことやコンディション調整は、自粛期間もあったため例年と比べ、まだまだ準備不足で危機感を持っています。このオフシーズンは、どの選手も難しい状況で、意識と取り組み方で大きく結果が左右されると考えています。


様々な変化。
 今シーズンから遠山アシスタントコーチや田中スキルコーチがチームに参加して、藤田ヘッドコーチのコンセプトを練習時から具体的に取り組むことができている事は、大きなプラスだと捉えています。その中で新加入選手へコーチ陣の意図を汲み取って伝える事も意識して練習に取り組んでいます。昨シーズンから在籍している選手達が雰囲気でコーチ陣が何を言いたいのか察せる事も、新たな環境でチャレンジしている新加入選手には難しい時もあると思いますし、そのズレを減らしよりベストなチーム状態にできればと考えています。
 今季のキングスは、これまでよりも「チームで戦う」事をコンセプトにワークアウトを行なっています。攻撃面では、コート上の5人がボールシェアをうまく行いボールに触る時間をいかに短くできるかがポイント。もちろん誰かが個人技で守りとのズレを生じさせる事は必要で、そこでいかに他の選手が連動してアクションを起こしていけるかが大事になってくる。究極を言えば、毎回オープンになった選手がシュートを打てるオフェンスをチームで作っていく。
 チーム状況やコンセプトが変わり、藤田ヘッドコーチから求められる役割も変わりました。これまでは起点となるプレーを担うことが多かったのですが、これからは自分がボールを持った時には既に他の選手がディフェンスとのズレを作り出した状態で、自分が攻める。そのために他の選手がズレを作りやすいようにスペースを作ったり、他の選手の動きに対してアクションを起こしたりするなど、ボールを持っていない時の動きが大事になってきます。自分がドリブルをせずにシュートを打つ姿を多く見られるようになった時は、チームオフェンスが上手く遂行できていると思ってもらっていいと思いますし、今シーズンはそういった視点からもキングスのバスケットボールを楽しんでもらいたいです。語弊があるかもしれませんが、自分がシュートを打つだけの方が自分にとって「1番楽」なプレーですし、相手にとって「1番嫌」なプレーかもしれないです。

新しいチーム。
 ズレを作る選手。そういった役割を担うであろう#3並里選手と#24田代選手に加え、新たに加入した#1船生選手と#30今村選手と一緒にプレーするのは楽しみです。ポイントガードに挑戦する船生選手は、瞬時の理解力と判断力がチームでも一二を争う高いレベルで、その判断を実際にプレーに移すことのできるスキルを持っている。シューターとしてはリズムよくボールが回ってくるので、一緒にプレーしていてストレスを感じません。スキルも独特で一言で表現すると、自分の行きたいところに行くことのできる選手。並里選手は、自分の動きでディフェンスをしっかり動かして隙を突いて抜いていくタイプ。対照的に船生選手は大きなアクションがなくてもヌルヌルっとディフェンスを抜いていくタイプで、立てた戦術を何食わぬ顔で遂行するコーチとしてはありがたい存在だと思います。
 今村選手は「ポテンシャルおばけ」です。アスリートとしての能力は群を抜いていて、加えてバスケットボールに対する姿勢が素晴らしく、これまでの選手達が積み上げてきたキングスの文化に合った選手だと感じています。練習量も人一倍多く練習の前後を非常に大事にし、努力を惜しまず取り組むことができるので今後どんどん伸びていくと思います。ただ、チームディフェンスに関してはこれからの部分もあると思います。今村選手自身がコーチ陣に話を聞き事、周りに並里選手や船生選手といったお手本になる選手から吸収する事で、ディフェンスでもチームに貢献できる選手へ変貌していけると思います。オフェンス面で言えば、アスレチックさとシュートを兼ね備えた得点能力があり、なおかつハンドラーとしての伸び代もまだまだあるので、オフェンス面でのチーム貢献は楽しみにしています。

特別な想い。
 今シーズン思っている事の一つとして、個人的にですが田代選手に頑張って欲しいと思っています。昨シーズンは手術で戦線を離れ彼自身ずっとモヤモヤした思いがあると思いますし、1年間キャプテンをして感じたものもあると思います。田代選手は責任感と正義感が強く間違った事を言わないし言えない、常に正解を出そうとしてしまう性格。それは時として足枷になって発言の瞬発力がなくなってしまう事もあります。そういった点は自身もキャプテンをしていた人間としてサポートしていきたいと思っています。田代選手からもキャプテンとしての強い意志をひしひしと感じていて、すごく期待していますし、彼にやってもらわないと困る。それくらいに思っています。
 自分もキャプテンでなくなった昨シーズンは信念をもって突っ走ってきました。改めて振り返ってみると一人でできることは限られていて、大きな事を成し遂げようとする時は、良くも悪くもみんなで意見を出し合って進んだ方が良いと学べました。周りのネガティブな部分に引っ張られすぎた反省もあります。ただ、今はチームにポジティブな雰囲気があふれていて、それに乗っかって開幕に向かっていきたいと思っています。
 昨シーズン終了の3月から今シーズン開幕の10月まで、個人的にも社会全体も1番制限のある状況で自分たちがベストを尽くすことは当たり前だと感じています。例年であればチャンピオンシップに向けてシーズンを通してチームを作り、4月5月あたりに完成されたチームとなるプロセスを踏みます。しかし、今シーズンは開幕戦に100%を持っていきたい。選手含め、みんなバスケットボールを楽しみにしていて、勝敗以上にバスケットボールに期待している1戦になると思います。そこでより多くの方に何かを届けられるよう100%でシーズンを迎えたい。本当に特別なシーズン開幕だと考えています。心境としてはBリーグ開幕の時の冒険のような感覚と似ています。コロナや自身の怪我と病気などの暗い部分と、プレーできる喜びとそれに対する期待や新アリーナ完成など明るい部分もあり、先が見えないからこその不安と希望で溢れている感覚です。
 人生に絶望している方、思いがけない状況に苦しんでいる方、みんな様々な思いを抱いて生活していると思います。試合の勝敗に関わらず、諦めない姿勢や前に進もうとする姿勢を、試合会場でも画面越しでも見ている人に伝えて活力を届けられるようプレーする。自身のキャリアの中では数ある試合の中のたった1試合かもしれないが、見ている方からしたら、いろんな背景や気持ちをもって人生で唯一観戦する特別な試合かもしれない。常にそれくらいの意識で一つ一つのプレーに覚悟をもって挑んでいます。
 「人生捨てたもんじゃねぇな」ってキングスを見て感じてもらいたいです。



 

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