FUJITA’S CHOICE. Vol.1 藤田ヘッドコーチが選ぶ、ファンに伝えたいここっ!
第1回は、#3並里選手です。派手なアシストパスやドライブにフォーカスされがちですが、基本的なパスの一つをとっても超一級品なプレーです!
■11月17日(日) vs滋賀レイクスターズ 2クォーター残り4分32秒
▽藤田ヘッドコーチ解説
まず、ユージーン選手がインサイドでシール*したところにボールを入れます。リング下のノーチャージ・エリアの選手にボールが渡ることによって相手のディフェンスが、リング下へ収縮し数選手で得点を抑えに行きます。そこで、ユージーン選手からリターンパスが並里選手へ戻ってくるのですが、並里選手はディフェンスが収縮した瞬間(パスが戻ってくる前)に、よりスペースのある、且つ、シュートを打つ準備ができている#34 小野寺選手を広い視野で確認、認識しています。リターンパスを受けた並里選手は、フリーになっている自分でシュートを打つ選択肢もあったのですが、前述した理由で小野寺選手へのパスを選択します。
ここに並里選手のすごさが隠れています。まずはその判断の速さとアンセルフィッシュなプレーです。判断の速さは今更説明するまでもありませんが、派手なアシストパスやドライブにフォーカスされてきている為、ファンの中には”エゴの強い選手”のイメージを抱いている方も少なくないと思います。この球離れの良さは、なかなかプロの選手の中でも体現することのできないプレーで、これまでの経験値とチームプレーを日頃から意識している並里選手だからこそ生まれたエクストラパス*です。
昨シーズン、キングスはボールと人を動かし、よりオープンな状態でシュートを打つことを攻めの軸として戦ってきました。20-21シーズンはよりチームオフェンスを意識して戦っていきたいと思います!
*エクストラパス:バスケで使うエクストラ・パスは、ボールマンがシュートできる状況から、さらにパスをしてより良い状況でシュートができるようにするパスのことです。
*シール:ディフェンスに体を密着させ、自分の体を壁のようにして、面を取ることです。